双日ベトナム物語 — 西側諸国初の駐在員事務所設立 ベトナムと歩んだ総合商社の国家発展プロジェクト

イントロダクション

ベトナムは、資源が豊富であり、人口9300万人、農業国、勤勉で質の高い労働力を有する。しかし、苛烈なベトナム戦争後は国土は荒れ果てていた。そんな時から、この国に可能性を見出し、国家建設に協力し、ベトナムの発展とともに歩んだ双日。

双日がベトナムで強いのはなぜか。

それは「双日がベトナムの可能性を信じ、長年にわたりベトナムとともにあろうとしたから」。

双日がどのようにベトナムとともに発展し、現在どのような活動をしているのか。New way, New value」の歩みをご覧ください。

このマンガは、出来る限り史実に基づいて作成しておりますが、構成上、登場する人物や情景などにはフィクションが含まれます。

第1章

ベトナムのパイオニアとしての総合商社

ベトナム戦争の終結から17年、ベトナムの首都・ハノイに駐在することになった若き商社パーソン・清水。

現地スタッフのチャンやベトナム歴が長い駐在員事務所長・山越らと出会い、日商岩井(現 双日)がベトナムに果たした貢献を知る。

駐在員事務所開設まで

ブンタオ沖のバクホー油田

第二次世界大戦後、双日の前身である日商岩井は石油資源を求め、トンキン湾(北ベトナム)、さらにはブンタオ(南ベトナム)での石油採掘・調査に携わりますが、ベトナム戦争や中越戦争で頓挫。

ベトナム戦争が終結し、1976年統一ベトナムが誕生した後は、東西冷戦の最中、共産主義国とビジネスをすることは西側諸国を強く刺激するものであったため、多くの企業はダミー会社(友好商社)を通じてのビジネスを行っていました。そんな厳しい状況下でも、自社名義での取引を行った日商岩井は、ベトナム政府の信頼を得ます。

1986年、日商岩井は西側諸国の企業の中で初めてベトナムに駐在員事務所を開設することを許可され、ベトナム事業の足がかりを作ったのです。

日商岩井−ベトナム経済・技術合同委員会

ベトナムにおいて躍進の転機となったのは、1986年12月にベトナム政府が決定した、ドイモイ政策の推進でした。

経済復興を国家政策として掲げたベトナム政府は、市場経済を学ぶためのパートナーとして日商岩井を指名。1987年3月「日商岩井ーベトナム経済・技術合同委員会」が開催されます。ここで話し合われた内容は、ベトナム経済復興に直結した政策であり、日商岩井のベトナムビジネスは、飛躍的に発展することとなりました。

毎年1回ずつ定期的に行われたこの会議は、のちに経団連ベトナム委員会に引き継がれ、官民一体となった現在の日越共同イニシアチブへとつながり、日本とベトナムの強い結びつきになっています。

ベトナムで活躍する女性たち

双日ベトナム ハノイ支店の女性スタッフたち

ベトナムでは結婚しても共働きが基本です。ベトナムでは女性が管理職になるのは普通のことで、結婚して子どもが複数いるという人も珍しくありません。周囲の理解や支援によって仕事と家庭が自然に両立しています。

現在、双日ベトナム社(ホーチミン)では、現地スタッフ51名のうち女性は34名。ハノイ支店は現地スタッフ22名のうち、女性は実に17名が在籍しており、彼女たちが双日のベトナム事業を支えているといっても過言ではありません。

第2章

ベトナムの自然を活かして

『双日ベトナム物語』第2章 第2章 1月下旬公開予定

所長・山越帰任後のハノイ駐在員事務所。

ベトナムの国土を再び豊かにするため、チャンと清水は植林事業、肥料事業などに邁進する。

ベトナムへの想いと、その解決法を考案・実行できる清水とチャンは、いつしか名コンビとなっていたのだった。

チップ植林事業

「我が国で植林と雇用創出に協力してもらいたい」。事業のきっかけは日商岩井-ベトナム経済・技術合同員会でのベトナム側からの一言でした。

戦争と伝統的な焼畑農業の影響から荒廃した森林回復という環境課題を背景に、ベトナム政府からの協力要請を受け、双日は1993年に植林・チップ生産会社VIJACHIP社を設立。

「事業にかかわる人すべてが幸せでなければ、やる意味がない。」というVIJACHIP社の創立当初から受け継がれてきた事業精神。木材チップ生産会社の運営は、農家の皆さんから原木の安定供給をしてもらわねば成り立ちません。植林の普及による原木の安定供給と、持続的な森林の回復の取り組みには、同じサプライチェーン上にいる農家の方にも利益がもたらされる仕組みづくりが不可欠だったのです。

「植林経営者の自立」を促すビジネスモデルを構築し、2016年末までに4,450万本の苗木を小規模農家へ無償配布。同年末までに累計46,500haの植林をし、ベトナムでの年間約50万人の雇用創出に寄与しています。

高度化成肥料事業

1995年、日商岩井はベトナムにおいて同国初の本格的高度化成肥料製造会社であるジャパン・ベトナム・ファーティライザー社(JVF社)を設立しました。

日商岩井は1972年タイにおいて、セントラル硝子および現地企業と共に、総合商社初の試みとなる、高度化成肥料製造会社タイ・セントラル・ケミカル社を設立しています。このタイでの経験を活かして設立されたJVF社も、日本の技術を導入した品質の高さと作物毎に取り揃えた豊富な銘柄数により、農家の方々より高い信頼を受けています。

現在、双日が経営する肥料会社で製造される高度化成肥料は、タイ、フィリピン、ベトナムにおいてトップクラスのマーケットシェアを誇っています。また、ミャンマーでは拡販に向けた販社を設立、その他周辺国でもテストマーケティングを進めており、販売・製造事業の横展開に向け取り組んでいます。

当社は、アジアの食糧需要増を、肥料事業を通して、生産性の向上および労働力軽減の面から支えていきます。

ロテコ工業団地事業

ロテコ工業団地は、ベトナム国防省傘下のThai Son Group(40%出資)とともに、1996年に日系企業の中で他社に先駆けて設立された工業団地です。

ロテコ工業団地はホーチミン市中心部へは車で約50分、主要な港や空港へも約60~90分という非常にすぐれた立地を誇り、24時間365日保守管理体制で、安定した電気・上水・排水処理を提供できる基幹インフラを完備しています。また工業団地事務所には日本人スタッフが常駐し、日本語でのトラブル対応や現地法人設立手続き、入居時の引っ越し手続きなど、ベトナム進出に必要なプロセスをきめ細やかに全面的にサポートできる環境を備えています。

こうして製造業のベトナム進出の基盤を作り、自動車製造業、縫製業など、日系を中心とする多くの企業を誘致すると共に、一部の企業には当社も出資し、製造業の立ち上げを支援。ベトナムの工業化と地域の雇用創出に大いに貢献しています。

第3章

アジア通貨危機

『双日ベトナム物語』第3章 第3章 2月公開予定

1997年、アジア通貨危機が勃発。

そのあおりを受けベトナムの経済も困難な状況に直面していた。

未曾有の困難にチャンと清水の二人はどう立ち向かったのか。

ベトナム初のIPP/電力プロジェクト

2004年、双日が九州電力などと共に参画する発電所「フーミー3」が、営業運転を開始しました。

このプロジェクトはベトナムにおいて外資による初のIPP(Independent Power Producer)プロジェクトとなりました。従来、ベトナム政府自身の資金で発電所を建設していましたが、IPPにより双日が参加するコンソーシアムにて資金を拠出して発電所を建設し、発電した電力を国営の電力会社に販売することで初期の建設投資を回収するスキームです。長期間に渡るプロジェクトであり、ベトナムという国そのものカントリーリスクも考慮しながらリスクを判断する必要があり、ベトナムにおいて豊富な実績のある双日だからこそできたプロジェクトです。

「フーミー3」の出力は744MWで、運転開始時はベトナム全体の電力需要のおよそ8%(現在は5%)を供給。燃料にベトナム国内で生産される天然ガスを使用することで自国資源による発電を可能にしました。20年間の売電契約に基づきベトナム電力公社に供給し、増加していくベトナムの電力需要を支えていきます。

ベトナム国友好勲章受章

2006年は、西側諸国の外資系企業として初めてハノイに駐在員事務所を開設して20周年を迎える節目となる年でした。

日商岩井はベトナムの復興策や発展策の協議を通じて多くの人脈を築き、広範囲にわたる事業活動を展開してきました。この長年の友好関係および貢献が認められ、同国政府要人に列席頂いた20周年の記念パーティーで「ベトナム国友好勲章」を受章しました。この勲章はベトナム政府の外国人に対する勲章としては最高位のものであり、日系企業として初めての栄誉でした。

ロンドウック工業団地事業

ロテコ工業団地で培ったノウハウとドンナイ省との関係を活かし、2011年に事業化した総面積270ha(東京ディズニーランド約6個)という広大な工業団地が、ロンドウック工業団地です。

ホーチミン市の東方約40kmのドンナイ省ロンタン地区にあり、ベトナムの主要港カトライ、カイメップ・チーバイ両港まで1時間以内でアクセスが可能で、南北高速道路インターチェンジから約15分、2025年に開港予定のロンタン新国際空港からは約20分の時間距離にあり、製造拠点、物流拠点として最適な立地にあります。

また、ロンドウック工業団地は、双日の総合力を発揮し、双日ロジスティクスの物流機能、双日ベトナム会社によるガスの集中供給など、さまざまなファシリティをワンストップで提供することで、進出企業が安心して製造できる環境を整えています。

チャイナプラスワン、日系企業のサプライチェーン拡充の観点から日本企業の進出は根強いものがあり、ロンドウック工業団地はその受け皿となっております。

ベトナムでのCSR

ロテコ工業団地、ロンドウック工業団地、ジャパン・ベトナム・ファーティライザー社は、社会貢献の一環として、2012年からベトナム・ドンナイ省の成績優秀な中・高校生への奨学金を給付しています。

2016年には、双日ベトナム会社を通じてハノイ市においても奨学金プログラムを実施。

双日グループは、今後もベトナムの地域社会と共に発展する事業に加え、教育支援など様々な社会貢献活動を行っていきます。

第4章

グローバル化の中で/消費をターゲットに

『双日ベトナム物語』第4章 第4章 3月公開予定

目覚ましい発展を遂げる2000年代のベトナム。

消費がビジネスのターゲットとなり、双日の事業も新たなステージへと進む。

穀物・飼料事業

ベトナムの経済発展に伴い都市部を中心に食の需要が増加し、多様化が進みました。食の西洋化により小麦需要が増加し、畜肉需要の増加により飼料原料である大豆粕やトウモロコシの輸入が急増しました。

このベトナムの旺盛な穀物需要に対応するため、2007年、双日はベトナム製粉大手のインター・フラワー・ベトナム社(IFV社)に出資しました。双日はIFV社への出資後、IFV社の製粉能力増強を行うと共に、港湾インフラの整備・拡張、穀物サイロ・倉庫の建設を進め、2010年ASEAN域内で最大規模の穀物専用港となるカイメップアグリ港を完成させました。

また、双日は協同飼料株式会社(現、フィード・ワン株式会社)との共同出資によりベトナム国内で配合飼料の製造・販売を行う双日協同飼料(KSF社)を設立。日系企業が海外で畜産用配合飼料の生産・販売事業に参入するのは初めてのことでした。

IFV社への出資とKSF社の設立により、ベトナムにおける穀物バリューチェーンの構築が可能になったのです。

食品流通事業

双日は消費の拡大を見越しリテール分野への投資を積極化していきます。

2008年にベトナム最大規模の食品卸会社であるフン・トゥイ社(HT社)に出資し、卸事業を強化。乳製品や飲料、菓子、調味料を中心に取扱いブランド数はベトナムでトップクラスを誇り、同国全土で4万社以上のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホテル、レストラン、個人商店等に商品を販売しています。

また、2016年にはベトナムの物流大手と共同でニュー・ランド・ベトナム・ジャパン社を設立。常温、定温、冷蔵、冷凍の4温度帯に対応する物流センターやトラック等を自社保有することで、食品の保管から店舗への配送まで一貫した温度管理を可能とする近代的なコールドチェーン物流サービスを提供しています。HT社の機能を強化して差別化を図り、同国での食のバリューチェーンを拡充していきます。

食のバリューチェーンの構築

双日は2015年よりミニストップ株式会社と共同で、ベトナムでのミニストップ店舗の展開を進めています。

また、2017年には、業務用冷凍食品メーカーの日東ベスト株式会社と共同でジャパン・ベスト・フーズ社(JBF社)を設立し、ベトナムで最新鋭のオートメーションシステムを導入した日配惣菜製造および畜肉加工工場を双日グループが運営するロンドウック工業団地内に建設。イオングループのミニストップベトナム、総合スーパーや小型スーパーマーケットチェーンをはじめとした小売業者・外食店向けに日配惣菜および畜肉加工品の製造販売を行っています。

双日は、子会社である大手食品卸事業会社フン・トゥイ社および4温度帯物流事業会社ニューランド・ベトナム・ジャパン社の高機能物流インフラを活用し、製造~物流~小売まで、ベトナムにおける食のバリューチェーンを構築しています。

エピローグ

双日は事業を通じて双日自身が得られる価値と社会に還元できる二つの価値を大切にし、ベトナムとともに発展していく。

双日のスローガンは New way, New value

従来に捉われない新たな発想で、新たな価値を生み出していく。